2005年07月28日

犬神家の一族

第一回は市川崑「犬神家の一族」。とてつもない完成度、一部のすきも無い傑作ぶりに思わず唸った。

オープニングクレジットからアバンギャルド。キャスト、監督の名がスクリーンいっぱいの明朝体サイズで次々出てきたのち(庵野秀明に影響を与えたのはあきらかだ)、犬神家の歴史、犬神家の当主「佐兵衛」の死が唐突に語られてゆく。そこに重厚な音楽、綿密なショットが加わって、ミステリー映画としてこれ以上ないほどの完璧なスタートをきっている。そこからはもう虜である。

遺産相続をめぐる血みどろの「見立て」殺人劇。それを彩る怪しさ満点の濃ゆすぎる登場人物たち。絶妙に飛び出す金田一耕助の名推理。ハッと息をのむ死体のショット。それらが独特の「リズム」を刻んだ編集によって丹念に描かれている。大滝秀治、加藤武など、脇を固めるバイプレイヤーたちの怪演技も最高だ。

現代日本映画の中心付近に存在している岩井俊二は、この映画を「教科書」としてとらえている。なるほど、たしかに素晴らしい「バランス」感覚をもった映画。二時間半というボリュームゆえ、ゆとりのある時間にじっくり鑑賞したい作品。犯人探しのミステリー映画としても純粋に楽しめるので、未見の方は是非ご覧あれ。

posted by ワイ氏 at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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